―― NPO現代座は、環境、人権、共生の文化と取り組む演劇NPO です ――

主な上演作品

1965〜1978年 統一劇場の時代(前期)

みんな手をかせ腕をくめ!チラシ

「みんな手をかせ腕をくめ!」 (1966年)

演出:木村快 音楽・コント:出演者による集団創作

統一劇場創立1周年記念公演。小編成のアンサンブルの様子や自分たちの生活そのものを脚色したドラマなど、三十数名が若さを思いきりぶつけた歌舞構成は、頼りない若者の集団への現実的な同情や不安もありながら、エネルギッシュに未来への期待を感じさせるものだった。全国主要都市で上演され、統一劇場の門出のキャンペーンとなった。

雑草のうたチラシ

「雑草のうた」 (1966〜67年)

作:木村快 音楽:岡田京子

最初の創作劇作品。町工場の若者たちが花見から帰ってくると、社長は蒸発、会社は倒産。取り残された若者たちはそこで寝泊まりし始めるが、今度は暴力団が債権者の代理として追い出しにかかる。そんな中、若者たちはびくびくしながら力を合わせて、自分たちの生き方を探し求めていく──。なにか当時の統一劇場の状況にも似た物語であった。

おふくろさんこんにちはチラシ

「おふくろさんこんにちは」 (1968〜69年)

作:木村快 音楽:岡田京子

田舎に住む母親が離れて暮らす息子を心配して都会へやってくる。そこで巻き起こるちぐはぐな事件を通し、息子と母親の心のズレや通い合いを描いた作品。農村部まで活動範囲を広げ、後に続く「劇場づくり」への足掛かりとなった。この作品を機に、劇場に集まる人にいかに楽しんでもらうかということに舞台制作のウエイトを移していった。

ミュージカル「マリコのうた」 (1970年)

作:木村快

地上は今や交通戦争たけなわ、天国は満員で、定員はあとわずか2名となる。天使長の秘書マリコはひたすら地上からやってくるはずの恋人、正一を待つが、3人連れでのんきにやってきた正一はこともあろうに新しい恋人を連れてきた。愛情とは何か……。モータリゼーション時代を風刺する、とぼけたミュージカル・コメディ。

希望チラシ

「希望」 (1970〜74年)

作:木村快 音楽:岡田京子

中学を出るとき学校の先生が言った。「お前たちは働くことで世の中を動かす、希望を創る人間だ」と。金の卵とおだてられ、高度成長の尖兵として都会の工場に就職した青年たちは泥沼のような現実の中で絶望し傷つきながらも、自分たちの「希望」を作り出していく。統一劇場の活動を本格的に確立した記念碑的作品。

オモチャの青春チラシ

「オモチャの青春」 (1972〜73年)

作:石塚克彦 音楽:岡田京子

オモチャ工場で働く若者たちにはそれぞれ夢があった。グズラは故郷に錦を飾りたい。ヨッ子はオシャレに遊ぶ青春に憧れ、比呂子は理性的に生きようとする。たとえ現実の壁が立ちはだかろうとも、若者の胸の奥底からあふれる生命の燃焼は、誰も押しとどめることが出来ない。青年の生命力への共感を込めた、ミュージカル形式のコメディ。

今日もどこかでチラシ

「今日もどこかで」 (1973〜75年)

作・演出:木村快 音楽:安達元彦

昔気質の頑固者・徹造は、男手で3人の子供を育ててきたが、子供たちはことごとく徹造の意に反して独自の生き方を選ぶ。そしてある日、隣に住む徳一とその息子も交えて大きな親子げんかが起こってしまう。それぞれが自分の生き方を模索し、新しい人間の絆を求めている。激しく変わろうとしている時代に、何が心を結ぶ本当の絆となるのだろうか──。

ふるさとチラシ

ミュージカル「ふるさと」 (1974〜76年)

作・演出:石塚克彦 音楽:岡田京子

日本中の農村地帯がそうであったように、物語の舞台・ひぐれ村も開発が進み、村人たちは畑を売って村を離れていく。激しく変わりゆく現代の中で、それぞれが一獲千金をもくろみ、あるいは純粋な青春を求め、土への愛着と新しい生活への期待とに悩み、怒りや悲しみ、笑いを生み出していく。そして最後の祭囃子は、そんな村人ひとりひとりの想いをのせて、哀しく、楽しく、ひょうきんに野づらを流れてゆくのである。

帰郷チラシ

「帰郷」 (1976〜78年)

作:多賀為二(木村快)・清水義方 演出:清水義方・木村快 音楽:安達元彦

母を心配して15年ぶりにブラジルから帰ってきた準之助の故郷は、平凡な農村から一面の大住宅地に変わっていた。唯一の慰めは、姪夫婦が花の栽培をしていることだったのだが、その土地も住宅造成の候補地となっており……。金か、畑か、人の愛か、残された土地をめぐる騒動を通して、「列島改造ニッポン」の現実を見つめる喜劇。

おっ母さんチラシ

ミュージカル「おっ母さん」 (1978〜79年)

作:石塚克彦 音楽:寺本建雄

どこにでもある、何の変哲もない町、そんな町に誇りと生きがいを作ろうと、ナマズの養殖を始めた人がいた。古来よりナマズは地震の源だといい、町はてんやわんやの大騒ぎ。15曲のナンバーで繰り広げる痛快な日本のミュージカル。

港で拾った花チラシ

合唱ミュージカル「港で拾った花」 (1978年)

作・演出:多賀為二(木村快) 音楽:安達元彦・岡田京子

1970年代後半、高度経済成長のシンボルと謳われた青函トンネルの開通が迫る一方、青函連絡船や北洋漁業は消えゆく運命にあった。そんな変わりゆく時代の函館を舞台に、北洋航海から港に戻った3人と所持金を奪われ途方に暮れる娘の青春群像を描く。甘くほろ苦い、青春の歌とコーラスとドラマが溶け合うさわやかな舞台。

1979〜1989年 統一劇場の時代(後期)

結婚チラシ

「結婚」 (1979〜80年)

原作:山田洋次 脚本・演出:木村快 音楽:岡田京子

格式ある教師の家庭に育った節子は、親の勧める相手との結婚式の前日に、この結婚は間違いだと言いだした。一家は大混乱に陥るも、温かく見守る祖母や隣家のおばさんに支えられながら、節子は再起を目指す。山田洋次監督が統一劇場のために準備した原作を、「男はつらいよ」のシナリオ・美術・衣装小道具チームと共同で制作した。

カンナ咲く島チラシ

「カンナ咲く島」 (1979〜80年、1985年、1986年)

作:木村快 音楽:岡田京子

少女カンナは、ふとしたことから自分が母の本当の娘ではないことを知り人知れず悩んでいた。ある日診療所の医師が口ずさむ歌を聞いたことから遠い過去の記憶が呼び覚まされ、自分の生い立ちに様々な人がかかわり、見守ってくれていたことを知る。人間の絆とは何か。黒潮に洗われる小さな島を背景に、1人の少女と医師の心の交流を描く。

「マリリン島にて」 (1980年、1983年)

作・演出:木村快 音楽:岡田京子

一億総観光旅行時代。南太平洋の小さな島に、船を乗り間違えた日本人女性の一団がやってきて、てんやわんやの大騒ぎ。島の事務所で働くナンシーは日本にあこがれていたが、観光客の余りに自分本位の姿に呆れ、日本人に幻滅する。しかしやがて彼女たちとの交流を通して、それが人間の弱さや哀しさの裏返しであることを理解するようになる。

兄んちゃんチラシ

「兄んちゃん」 (1980〜82年)

作:石塚克彦 音楽:寺本建雄

日影町の北西にそびえるカラマツ山、その中腹にある開拓部落に暮らす花立千吉と、その3人の子供の物語。長男、長女、次男の3人はそれぞれ父親と対立し、まさに家族は分解寸前。千吉が癌にかかっていることを聞いた3人はそれぞれに親孝行をしようとするも、それさえも悪い方へと進んでいき……。

出航チラシ

「出航」 (1981〜83年、1989年、2025年、2026年)

作・演出:木村快 音楽:岡田京子

一旦は海に見切りをつけ、陸の職業へ転身を図った漁師たちだが、海を離れ、仲間と別れる辛さを思い知らされる。解散式の日、みんなで海の歌を歌い踊るうちに、孤立に怯えながら逃げ回るよりも仲間と運命を共にする道を選ぼうとする。200海里問題を通して、現代が直面している問題を見据えながら人間の在り方を問いかけた作品。

希望ホールで上演した主な木村快作品 (1978〜1981年)

1978年1月に開設した五反田・希望ホールで上演された作品群。

作品名
「ブーゲンビリアの咲く街で」1978年
「雨上がり」1978年
「幼なじみ」1978年
「ロッキンチェアのおじさん」1979年
「海辺の公園」1979年
「ハッピーガール」1979年
「多恵の青春」1981年
遙かなる島チラシ

「遙かなる島」 (1983〜87年)

作:木村快 音楽:岡田京子

その島は、遠く太平洋のかなたに置き去りにされたような人口200人に満たない島である。国の援助で公共事業が始まり、島は活気づくが、ある夏の初め、長雨により開通したばかりの道路は押し流されてしまった。村人たちは自然を無視した近代化のもろさを痛感し、そしてその絶望的な状況は、村人たちの間に新しい連帯を生みつつあった。

風は故郷へチラシ

「風は故郷へ」 (1988〜91年、2021年)

作・演出:木村快 音楽:岡田京子

戦争や開拓といった国策にひたすら従い続けた男たちが直面したのは、国の農業政策の大転換で開拓地を追われるという事態だった。子供たちは街へ出て暮らすよう勧めるが、老人たちは人生最後の抵抗に立ちあがる。幻想に絶望した時に発見される新たな世界、それを通して見えてくる人間の暮らしの本質を問いかける作品。2021年にはコロナ禍の社会情勢の中で再演し、客席との間にビニールシートを設置するなど工夫をしながら歌声を届けた。

星と波と風とチラシ

「星と波と風と」 (1988〜91年)

作:木村快 演出:清水義方 音楽:岡田京子

バブル絶頂期、ミクロネシアに観光に来た若者たちは、そこがかつて日本の統治領であったことを知る。楽園のような場所に存在する過去と現在の厳しさを通して、本当の国際化とは何かを語りかける、若者たちのミュージカルコメディ。東京の朝日生命ホールでの千秋楽には、伝統的な生活を固守するヤップ島のケニメデ大酋長を招待した。

1990〜1999年 現代座の時代

もくれんのうたチラシ

「もくれんのうた」 (1990〜95年、2008年)

作:木村快 音楽:岡田京子

日本のエネルギーが石炭から石油へ転換した時代、炭鉱で働いていた健太郎は離職者対策でブラジルへ渡った。母の墓参りのために30年ぶりで帰国した日本だったが、そこは健太郎にとって見知らぬ異郷だった――。国内各地での上演に加え、1994年にブラジル日系社会から招聘、ブラジル13都市で上演した。

朝の風に吹かれてチラシ

「朝の風に吹かれて」 (1992〜94年)

作・演出:木村快 音楽:岡田京子

朝日病院は小さな病院だが、院長の理想と人柄が良心的な医療スタッフを集め、地域に根差した病院として信頼を集めていた。しかし、院長が亡くなると経営は行き詰まり、スタッフのまとまりも崩れ始める。そんなある日、地域の当番病院では手に負えない重症患者が運び込まれ、一晩中、病院中が手術の成否を見守ることとなる──。

熱い風チラシ

「熱い風」 (1994年)

作・演出:木村快 音楽:岡田京子

日本の歴史から忘れられたインドネシア残留日本兵の目を通して、戦争を知らない青年海外協力隊員、ODA事業を進める商社マンといった、海外に進出する日本社会のありようを見つめた作品。

ニッポン人諸君!チラシ

「ニッポン人諸君!」 (1994〜95年)

作:木村快 音楽:安達元彦

青年海外協力隊の一員としてインドネシア奥地にやってきた信子は、異文化社会に馴染めず憂鬱な日々を送っている。そこに現れた身勝手な日本人・太田老人の行動をきっかけに、信子は今まで見てこなかった「ニッポン」を見る――。アジアの中の日本、21世紀の日本人像を描くさわやかコメディー。

絆をつくる町チラシ

「絆をつくる町」 (1996〜98年)

作:木村快 音楽:岡田京子

1995年の阪神淡路大震災を受けて現代座劇団員が神戸で3ヶ月間ボランティア活動に従事し、その時の経験をもとに制作された作品。舞台は震災から1年半たった1996年の夏。震災直後は地域の絆で苦境を乗り切った青葉地区の人びとも、避難生活が長引くなかでつながりが断ち切られていく。復興から取り残されながらも前を向く高齢者たちの姿を描く。

2000年代〜現在 NPO現代座の時代

虹の立つ海チラシ

「虹の立つ海」 (1998〜2004年)

作・演出:木村快 音楽:安達元彦

地震が起こり、老人と息子夫婦は洞窟に避難するが、洞窟を抜けるとそこは50年後の環境が破壊された世界だった。町は消え失せ、人々は食糧の欠乏と、病いに苦しんでいたが、1人の少女が人々のための薬草を探していた。諫早干潟救済問題を背景にした現代のメルヘン。NPO現代座としての最初の作品となった。

遠い空の下の故郷チラシ

語り「遠い空の下の故郷(ふるさと)〜ハンセン病療養所に生きて」 (2004〜25年)

作:木村快

ハンセン病であるために強制的に隔離された女性の半生を、歌と朗読で描いた作品。元ハンセン病患者との交流を重ね、差別に気づかず過ごしてきた自分自身を思い返すことが大切と痛感しながら、現代座としてできる取り組みとして企画された。劇場だけでなく、お寺や学校など様々な場所での公演を現在も重ねている。

約束の水チラシ

「約束の水」 (2004〜09年、2014年)

作:木村快 音楽:岡田京子

日系ブラジル人のミツコは、祖母から「日本は山や森や水に囲まれて暮らす国」と聞いて育った。その祖母が、故郷の村の「約束の水」という湧水を恋しがりながら息を引き取り、ミツコは意を決して日本を訪れる。祖母の故郷はもう山間地の無人地区となっており、かつて祖母から聞いた風景はそこにはなかった──。

小金井小次郎チラシ

語り「小金井小次郎」 (2010年)

作:木村快

幕末から明治にかけての激動期の歴史を背景に、流罪人でありながら三宅島島民のために資材を投じて貯水施設を建設した小金井小次郎を扱った、郷土ゆかりの朗読作品。現代風の朗読だけでなく、和楽器演奏者による浄瑠璃三味線と伝統様式の朗読も交え、現代的視点から歴史を見直す複合的な語り作品に仕上がった。

ユーモレスクチラシ

「ユーモレスク」 (2005年、2006年、2011年、2012年)

作:木村快

木村快の指導の下で演劇づくりの勉強をする若手演劇人を中心に立ち上げた「実験劇場・ユーモレスク」企画の第1弾。現代座会館3階の「小さなNPO劇場」にふさわしい作品作りを目指し、会場を喫茶店のような雰囲気にするなど工夫した。とある喫茶店を舞台にした、「ユーモレスク」という有名なSPレコードにまつわるお話。

小さなカフェでチラシ

「小さなカフェで」 (2006年、2007年)

作・演出:木村快

町中を走り回るタクシードライバーは実に多くの人々の喜びや悲しみと出会う。ある日、小さなカフェで、街おこしNPOの若者たちとタクシードライバーの間に、思いがけない形で心の交流が始まる。3階小ホール用に創った作品の第2弾。

わすれものはありませんか?チラシ

「わすれものはありませんか?」 (2008〜10年、2023年)

作:武本英之 補作:木村快

NPO現代座メンバーであり、タクシー専門紙の記者をしていた武本英之の書いた作品。移動支援のNPOからの支援の申し出を断り続ける独居老人の芳子さんと、その周囲の人々の人間模様を描く。武本氏は2018年に亡くなり、その後2023年には追悼公演として再演を行った。

ここは幸せゼロ番地チラシ

「ここは幸せゼロ番地」 (2010年、2011年)

作:武本英之

舞台は倒産寸前の郊外の小さなタクシー会社。先代社長の急逝で二代目となった息子の祐喜は、「これからはサービス精神が大事」と、ことごとく新しいやり方を持ち込み、「サービスは大事だが、タクシーは何より安全第一」と主張する古手ドライバーと対立する──。

蒼い空・友の呼ぶ声チラシ

「蒼い空・友の呼ぶ声」 (2011〜13年)

原作:木村快・江見俊太郎 脚本:木村快 音楽:福沢達郎

特攻隊経験者である俳優・江見俊太郎さん(2002年没)のために、木村快により1997年に制作された「蒼い空」という作品があり、当時の構想のうちの1つのストーリーを脚本化し、2011年に「蒼い空・友の呼ぶ声」として上演した。かつて学徒兵として特攻隊を志願した太田は、戦友の形見の辞書を抱え、戦友の妹を訪ね歩く旅に出る──。

出会いの街チラシ

「出会いの街」 (2013年)

作:木村快 音楽:小川洋

裏通りにある喫茶店「カフェ・出会い」を舞台に、近所の主婦やNPO活動家、タクシードライバーなど様々な人が集う中で生まれるドラマを描く。地域の人たちとの交流の中で背中を押されて実現した公演。作品内容もできるだけ地域の実情を取材し、この町が目指す姿を舞台上に表現した。

武蔵野の歌が聞こえるチラシ

合唱構成劇「武蔵野の歌が聞こえる」 (2014〜17年、2023〜25年)

作・演出:木村快 音楽:福沢達郎

徳川吉宗の時代に新田世話役に抜擢され武蔵野台地に82ヶ村の新田を誕生させた川崎平右衛門の歩みを、語りと芝居、歌を交えながら展開する。地元有志とともに地域史の取材をすることから始まった。2014年から2017年まで毎年上演を行い、NPO現代座として地域に根差した代表作となった。2023年以降は少人数編成での朗読とピアノの生演奏による形態での上演を行っている。

ブリンギン・ホテルにてチラシ

「ブリンギン・ホテルにて」 (2022年)

作:木村快 演出:八木澤賢

1995年夏、千里はインドネシア奥地の病院でボランティア医師として働き帰国したがらない父を訪ね、そこで初めて父の人生と向き合うことになる。父は、昭和18年に学徒動員令でインドネシアに従軍し、敗戦後は日本軍を脱走してインドネシア独立戦争に参加した過去を持っていた。「熱い風」の物語を下敷きに再構築した作品。

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