ユバの子どもたちの俳句
クリスマスプレゼントみなさんありがとう
熊本らいた(五才)
クリスマスおもしろかったおどりました
辻すまか(七才)
クリスマスおどりたのしいぜんやさい
クリスマスサンタクロースみなかった
小林れいみ(九才)
農場や今日はみんなでおもちつき
矢崎 夏(十一才)
せかいじゅうみんなでいわうクリスマス
おもちつきもちのごはんがとんでくる
辻百合香(九才)
クリスマスおしばいを見る村の人
お正月ユバのもちつき石のうす
弓場みえ(十才)
サンタからうごくとけいをもらいけり
おしばいのぶたいがかわるクリスマス
弓場 蘭(十三才)
ぴかぴかとでんきの光るクリスマス
来年もいいとしになれもちをつく
熊本小次郎(十一才)
みずでっぽうではしゃぎはしるこどもたち
クリスマスおどりまくっていたい足
おちるあせおもちに入るおもちつき
辻 良香(十二才)
クリスマス今年は雨のふるばかり
クリスマスおおぜい大人ビールのむ
高山めぐみ(十三才)
雪なしの太陽あふれクリスマス
月あかりクリスマスツリーかがやいて
農場のもちつく音に目がさめる
熊本 舞(十四才)
クリスマスおどりも歌もおしばいも
クリスマス終わってすぐにおもちつき
クリスマスすんでみんなの俳句会
弓場カンナ(十九才)
ブラジル日系社会では俳句が盛んだったが、日本語習得の困難さもあって、二世、三世で俳句をやる人はめったにいない。ユバ農場には俳人の箕輪愚卵舎氏がおられることと、日常的に日本語を使う環境にあるため、三世、四世の子どもたちも俳句をつくる。
ブラジルでは正月よりクリスマスが盛大に祝われる。ユバ農場でもクリスマスには毎年日本語演劇を上演し、アリアンサだけでなく、サンパウロからも大勢の日系人が詰めかける。だが、日本人の伝統を尊重し、お正月も餅をついて盛大に祝う。
ブラジルの正月は南半球であるため夏である。日本の正月とはかなりおもむきがちがう。このため、ブラジルの歳時記は日本の歳時記とは別に編纂されている。