ユモレスク劇場 第10回公演
蒼い空 友の呼ぶ声
友はあの空へ飛んでいった
国のために命を捨てようとした青春
日本復興のために走りつづけた人生
いったいおれたちは何者なのか
老人は自分さがしの旅に出た
蒼い空の下で
老人は新しい世界を知った
ものがたり
阪神大震災から十年たった2005年の初夏。高康子はボランティア仲間の十周年の集いに参加するため、横浜から新幹線に飛び乗った。偶然隣り合わせた老人も60年ぶりに神戸を訪ねるのだという。検札の時、康子は乗車券を入れた財布を紛失していることに気がつき、慌てる。それを見かねて、太田と名乗る老人は乗車料金を立て替えてくれた。返済に伺いたいから住所を教えて欲しいと言うと、老人は戻る家はないから返済しなくてもよいと笑っている。
神戸に着いても、老人はただ「大木のある公園」を探しに行くのだと言うだけである。康子は途方に暮れるが、太田老人を追ってきた老人の娘・かおるとのやりとりから、老人は家人に無断で旅に出たのだと判る。康子はボランティア仲間の竹井の助けを借りながら、老人と行動をともにする。
1995年の神戸大震災が起こった時、太田は愕然とした。かつて神戸出身の戦友から、妹に形見として渡してほしいと頼まれた古い国語辞書を放置していたことを思い出したからだ。だがそれからまた十年経ってしまった。妻に先立たれ、孤立感を深める太田は意を決して旅に出る。
太田はかつて、学徒兵として特攻隊を志願した過去を持つ。「国のため」に命を捨てようとした青春は一体何だったのか。日本復興のため、ひたすらまい進したことはこの国に何をもたらしたのか。「一体自分は何者なのか」。形見の辞書を抱え、戦友の妹を訪ね歩く太田の旅は、人生最後の「自分さがしの旅」だった。
見違えるばかりに復興した神戸の街だが、被災高齢者たちのくらしは厳しく残酷なものだった。だが、若い世代の助けを借りながら、太田は新しい世界を知ることになる。
康子と竹井もあらためて、太田老人の生き方が、実は自分たちの国の歴史であったことを知ることになる。
制作スタッフ
原作 木村 快、江見俊太郎
脚本・演出 木村 快
演出助手 黒沢義之
音楽 福沢達郎
装置 寺崎昌広
照明プラン 渋谷博史
照明 高橋康孝、木村康恵
制作 木下美智子、東 志野香
舞台製作支援 木の下隆志、家田東穂
資材提供 狩野和太郎
出演
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太田秀夫 |
太田の娘・かおる |
ボランティアの竹井 |
高 康子 |
今村純二 |
木下美智子 |
西河 大 |
東 志野香 |
公演日程 2011年6月24日(金)〜27日(月)
日 | 曜 | 開演 | 開演 |
6月24日 | 金 | − | 19:00 |
6月25日 | 土 | 14:00 | 19:00 |
6月26日 | 日 | 14:00 | - |
6月27日 | 月 | 14:00 | − |
(開場は開演の30分前)
会場 小さなNPO劇場
(現代座会館3階)
参加費: 一般 3,000円
NPO現代座会員 2,500円
小中高生 1,000円
※事前にお申し込み下さい。
※26日(日)のご予約は満席の為、受付終了致しました。
※27日(月)のご予約は満席の為、受付終了致しました。
TEL:042-381-5165(NPO現代座)
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