ユモレスク劇場第1回公演
ユーモレスク

2005年10月29日〜30日 3公演
2006年1月7日〜9日 3公演(NPO現代座 新春の集い)

  原案 高橋佳奈
  脚本 木村 快

  出演 佐伯嘉子、西河 大、高橋佳奈、小林大輔、熊倉正博、寺崎昌広

ものがたり

第1回公演「ユーモレスク」より  店が次々に閉店してシャッター通りになりそうな商店街に芳夫の経営する古い喫茶店がある。
 その並びにあった靴屋の原田さんはいよいよ店を閉めて郷里に帰ることになった。量販店に押され、経営が成り立たなくなったのである。出発の日、原田さんは別れの挨拶に喫茶店に立ち寄る。原田さんはそこで古いSPレコードの「ユモレスク」を見せられる。大正時代に録音されたという針音のすさまじい「ユモレスク」のピアノ曲に原田さんは忘れられない思い出があった。
 たまたまやってきた若い女性客リエは、このところ何をやっても失敗つづきで、すっかり落ち込んでいる。今日も友だちが彼女を励ますために企画してくれた誕生パーティに行くというのに、こともあろうに大事なハイヒールのヒールが折れてしまって大騒ぎになる。
 少々へそ曲がりなマスターの芳夫、挫折して郷里へ帰る原田さん、落ちこぼれになりそうな若い娘リエ、だが、その偶然なふれあいは思いがけない形で希望への灯をともす。