作 木村 快 演出 西河 大 制作 寺崎昌広、由井 數、木下美智子 宣伝美術 東 志野香 スタッフ 澁谷博史、木村康恵、高橋康孝 後援 小金井市
喫茶エスポワールにはもう誰も弾かなくなった年代物の小さなピアノがある。 靴屋を営んでいた南原さんは、母の介護のため田舎へ帰ることになり、エスポワールの古いピアノに別れを告げるためにやってきた。死んだ娘の祐子が、「喫茶店のおじいさんが喜ぶから」と、このピアノで「ユーモレスク」を弾いていた思い出を大事にしていたからだ。 喫茶店の二代目主人・黒田修と南原さんは青年時代からの仲間だった。人の顔が見えなくなるような町にはしたくないと、一生けんめい町おこしに努力してきたが、どの店にも跡つぎのいないのが現状だった。修の息子啓太は大学院を出て宇宙研究所で水汲みをしていると言うし、向かいのパン屋の息子英之介は大学で協同経済学を学んだが、仕事がなく派遣社員をしている。その妹らん子は一生懸命働いているが、経営状態は厳しい。時代のせいとは言え、一体この町はこれからどうなっていくのか……。 あるとき、派遣の事務職員ゆき子がひっそりとピアノを弾いていた。彼女は何をやっても失敗ばかりで落ち込んでいる気の弱い娘だ。今日も先輩の宏美が企画してくれた誕生パーティに出席するために贈られたハイヒールを、こともあろうにマンホールの穴に挟まってヒールを折ってしまった。 南原さんはこの不運な若い娘のために何かしてやりたいと思った。そしてこの偶然なふれあいが、思いがけない形で南原さんの心に失った夢をよみがえらせるのだった。
日程 2012年2月24日(金)〜27日(月)
会場 小さなNPO劇場 (現代座会館3階)
参加費:1ドリンク付 一般 3,000円 NPO現代座会員 2,500円 小中高生 1,000円
※各回40名の予約制です。事前にお申し込み下さい。 TEL:042-381-5165(NPO現代座)