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言葉と文化の伝承

日本語の普及と衰退

矢崎正勝

毎年8月に行われるサンパウロ北西第三地区七校の第21回体育祭。参加生徒二百数十名。  ブラジルの日系社会から、日本語が失われつつあると言われるなかで、衰退に歯止めをかけようと、父兄の要望に応えるべく懸命に努力を重ねているのが地域日本語学校の現状である。
 私達の住むミランドポリス郡は、小さな地域ではあるが、五つの日本語学校が存在し、他の地域に比べるとかなり普及率は高い方である。
 低、高学年別のお話発表会、硬筆力試し、林間学校、合同の体育祭など、毎年多くの行事が行われている。そこでは礼儀作法や言葉遣い、例え体育祭といえども、出来る限り日本語を使用させるような工夫がなされ、言葉と文化の伝承と言うことが重視されている。

 県やJICAなどから派遣されてくる教師達は、幼稚園から夜学まで、同学年でも、レベルの全く異なった生徒達に対応できるような授業内容を考慮し、異文化の中で、その短い二年という任期期間中にある程度の成果を上げ、教師としての責任を果たさなければならないから大変である。ユバでは「日常語として、日本語を使用すること。」と言う生活システムが継続されているので、会話などに殆ど不自由はないものの、やはり読み書きはあまり習慣性がない。
 日本語環境の活性化、普及率の向上など、議論やシンポジウムが絶えず行われている。
 しかし、本当に日本語はそんなに衰退しているのだろうか。確かにポルトガル語は、日常会話の中でも昔より頻繁に聴かれるようになった。だが反面、この数年来のお話発表会などにおける子供達の文章、表現力、理解度などのレベルは明らかに上がってきている。(これは前述の教師達の努力の成果である。)確かに、全体量は減少して来てはいるが、それが即衰退とは言い切れないような気がする。ここに紹介する文章はほんの数例でしかないが、今年度のお話会や作文集への発表作品である。

DOT弓場農場日本語校作文
DOT第一アリアンサ日本語学校作文


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